松井三郎環境設計事務所

松井三郎
環境工学者 京都大学名誉教授
1972年~75年茨城県土木部鹿島臨海工業地帯深芝処理場技師として、石油化学排水処理の基礎となる、「活性汚泥分解性試験法」導入、日本で初めて大気汚染対策を組み込んだ汚泥焼却炉の導入、大規模土壌微生物脱臭装置の導入等を行った。1975年~1986年金沢大学建設工学科助教授として石川県、富山県、愛知県、滋賀県の流域下水道建設審議会委員をつとめた。富山県南砺市都市下水路に流雪溝を組み込む技術を開発した。滋賀県東北部流域下水道計画審議会では、日本で始めて「流域下水道アセスメント」に参加し、「分散か集中か」の議論で計画妥当性を明らかにした。境川流域下水道裁判では愛知県・国の証人として「工場排水受け入れ」の妥当性を証言した。
現在注力している分野は、プロバイオティクス環境農業、アフリカ農村開発支援

履歴
昭和41年(1966)京都大学衛生工学科卒業
テキサス大学オースチン校PhD取得
京都大学工学部教授
京都大学大学院地球環境学堂教授
国連地球環境機関(GEF)顧問
国際水協会(IWA)執行役員
福田首相、麻生首相「地球温暖化問題懇談会」委員等
北海道大学院客員教授
立命館大学客員教授
中央大学研究開発機構教授
IWA特別フェロ―会員
日本国際民間協力会(NICCO)理事
水制度改革国民会議理事長として「水循環基本法」成立に貢献

現在
㈱松井三郎環境設計事務所 代表
滋賀県下水道審議会 委員長
財公・日本下水道新技術機構委員会 委員長
財公・国際湖沼環境 委員会評議員
財法・イオン工学財団 評議員
NPOさらんネット理事、その他

専門分野
環境工学、環境微量汚染制御、生態毒性学、地球環境に関する発表論文は、600件を超える。

主な著書
今なぜ地球環境なのか
地球環境保全の法としくみ
環境ホルモン最前線
その他共著訳書多数。

松井三郎氏とSKY・ライフ

松井三郎氏とSKY・ライフが、乳酸菌について共同研究を始めたのは2012年。これまでに様々な研究を重ねてきました。
水産ではエビ養殖に於いて、乳酸菌の効果は、養殖池の水質改善(BOD低減)や品質向上という結果を得られました。また、海水の塩分濃度3%の環境下でも生き延びる乳酸菌の開発に成功。
畜産では、乳酸菌を家畜の飼料に用いることで、動物の健康、環境を改善し、ストレスを与えずに肥育ができる仕組みを提唱。結果、肉質の向上や臭気低減、糞尿の処理から堆肥づくりまで繋がり、まさに循環型の農業~畜産業の一助につながっています。

共同研究

松井三郎『乳酸菌Lactobacillus fermentum 403菌が生成するオーキシン・サイトカイニンの分析方法の開発―プロバイオティク環境農業への応用原理』(日本水処理生物学会誌 第48巻 第3号 117-123、 2012年)の序文には、農業への乳酸菌使用について以下のような効果がまとめられています。

  • エンドファイト効果※
  • 栽培中の葉面散布による病害虫防除効果
  • 土壌構造を柔らかくすることによる土壌環境改善効果
  • 乳酸菌が共生する植物の成長、開花、結実を促進する効果

※エンドファイトには、毒素をつくらずに植物の免疫力を高めたり、生育を促進したり、強光や高温、乾燥等のさまざまな環境ストレスに対する耐性を高めたりする菌がいることがわかり、注目されています。

エンドファイト効果は、植物に共生し、植物病原菌への免疫効果や害虫に対して毒を分泌して植物を守る効果を持ち、かつ植物を摂取する動物や人間に悪影響を与えないことが条件である。論文では、腸内環境を改善する微生物として実績のある乳酸菌がその条件を満たし、すでに鶏や豚などの家畜に問題がないことを実証していることが記されている。

※2012年当時の乳酸菌の名称は「Lactobacillus fermentum 403菌」でしたが、2014年より製法の変更に伴い名称が「LB Shiomi」となりました。菌の種類は同一です。

乳酸菌発酵飼料による無抗生物質・無抗菌剤使用の養豚法の開発